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こどもの心を守ろう!!ブログ
こどもを責めないでください。 そのことをきちんと教わっていないのですから。 親を責めないでください。 誰よりも苦しんでいるのですから。 教育、子育てを応援するブログ。

プロフィール

千葉孝司

Author:千葉孝司
ピンクシャツデーとかち実行委員会
発起人代表
十勝ライフスキル教育研究会代表
著書
教師力ハンドブックシリーズ「不登校指導入門」明治図書2014
「いじめは絶対ゆるさない 現場での対応から予防まで」学事出版 2013
「先生と親に贈る いじめ・不登校解決のメッセージ」学事出版2007
共著
教師力シリーズ「THE説得~生徒指導編」「THE説得~学級指導編」明治図書2015
メディア出演 TBSニュース23 等



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特集 集団を育てる学級・HR開き

月刊生徒指導4月号特集ページに
「このクラスで良かったと思える学級を目指して」が掲載されています。
興味のある方はぜひどうぞ05711-4-2014.jpg

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可能性を信じる

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可能性を信じる
                                  千葉 孝司
「僕は自分の可能性を否定したことは一度もなかった」
これは星槎国高等学校帯広キャンパス三年生のトモノリ君の言葉だ。彼は星槎国際高校の全国生徒会長である。全国生徒会長とは、全国の地域の生徒会長を束ね、全生徒四六〇〇名の代表にあたる。関東圏以外の学生で全国生徒会長になったのは彼が初ということだ。
 帯広キャンパスで生徒会長を務めたトモノリ君は、自分や仲間の力を試したくて全国生徒会長に立候補したという。終始相手を気遣い理知的に語るトモノリ君。その姿にすがすがしさと自信を感じた。
そんな彼は小学3年生から中学3年生までの間、不登校を経験している。冒頭の言葉は、つらい中をどうして乗り切ることが出来たのかという問いに対する答えだ。
十勝管内には200人を超える不登校の小中学生がいる。不登校は人間関係に強い不安を感じることから始まる。集団から離れ家にいることで不安から一旦離れることが出来る。しかしクラスメートが通学しているのに自分は行けないという事実は、さらに自信を失わせ、不安は増大する。そんな悪循環、不安の連鎖にはまるのが不登校である。
周囲の大人も、「このままずっと学校に行けなくなったらどうしよう」という強い不安を抱く。その結果「みんなも行っているんだから、頑張って行こう」という言葉を投げ掛ける。すると「みんなが行っているのに自分はダメだ」という思いを子どもは抱くこともある。また、不安から「今日行けなかったら、ずっと行けないかも」と脅しめいたことを大人は口にしてしまう。すると「ああ、ずっと行けないんだ」というマイナスの暗示を子どもに掛けてしまうこともある。
大人が力ずくで連れ出すと、「自分の思いを尊重してもらえないんだ」「分かってもらえないんだ」という思いを与え、さらに子どもの自尊感情は低下する。通常であれば問題のない大人の対応が不登校を長引かせることもある。
トモノリ君自身も「分かってもらえない」という思いを経験している。しかし彼は「誰も悪気がないし、知らないのだから仕方のないことだ」と屈託なく語る。そう思えるのは、それ以上に彼を理解し支えてくれた人たちがいたからであろう。
不登校の子どもの三分の一は、後で振り返り、「後悔している」という。もう三分の一は「仕方がなかった」。残りの三分の一は「不登校になって良かった」と答える。人は不幸のさなかにあるときは、過去のつらい体験を不幸の原因にする。幸福の中にあるときは、過去のつらい体験も「あれがあったから、今の自分がある」と思える。
子どもが不登校を肯定的にとらえ、前向きに生きていくためには、子どもの可能性や人生に絶望しないで信じきる大人のサポートが必要だ。
 トモノリ君は、親元を離れ今春大学に進学する。彼は言う。「大学生活に関してもちろん100パーセントの自信があるわけではない。でも親には応援してほしい。そもそも100パーセント保障されていることなんて人生にはない。だからこそいつでも応援してくれる家族の存在が大切なんだ」と。
大人は、たとえどんな状況でも子どもの可能性を信じなくてはならない。トモノリ君の幸福感に満ちた笑顔はそう教えてくれる。

2014年3月3日(月)十勝毎日新聞 かちまい論壇