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こどもの心を守ろう!!ブログ
こどもを責めないでください。 そのことをきちんと教わっていないのですから。 親を責めないでください。 誰よりも苦しんでいるのですから。 教育、子育てを応援するブログ。

プロフィール

千葉孝司

Author:千葉孝司
ピンクシャツデーとかち実行委員会
発起人代表
十勝ライフスキル教育研究会代表
著書
教師力ハンドブックシリーズ「不登校指導入門」明治図書2014
「いじめは絶対ゆるさない 現場での対応から予防まで」学事出版 2013
「先生と親に贈る いじめ・不登校解決のメッセージ」学事出版2007
共著
教師力シリーズ「THE説得~生徒指導編」「THE説得~学級指導編」明治図書2015
メディア出演 TBSニュース23 等



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伝えあえる奇跡


かちまい論壇「伝えあえる奇跡」
2013/07/29 十勝毎日新聞掲載 

「僕のうしろに道はできる」というドキュメンタリー映画を見た。

 ある日突然、脳幹出血で倒れた宮本さん。意識も戻らず、一生四肢まひと思われている。しかし、同僚の山元加津子さんは、意識があることを信じ献身的な介護をする。やがて宮本さんは奇跡的な回復をする。意識障害の患者(一般に植物状態と言われる人たち)に対し、「意識があることが表現できないだけかもしれない、意識があるんだ」という前提で接していく人たちの姿。涙なしでは見られない感動的なエピソードがたくさん織り込まれている。

 どんな人にも「思い」はある。互いの思いを大切にし合うのが、人と人とのコミュニケーションの前提であろう。しかし、現代社会は人々のコミュニケーション能力を加速度的に奪い、一方的なコミュニケーションを増やしているようだ。

 一方的なコミュニケーションには、どのようなスタイルがあるだろう。

 一つは自分の思いだけを大切にし、無理を押し通すドラえもんのジャイアンのようなスタイル。

 もう一つは、嫌なことも断れず、相手の思いに押し切られてしまうのび太のようなスタイル。自分の思いのみを大切にしていると、他の人とうまく関われなくなってしまう。他の人の思いのみを大切にしていると、自分自身とうまくつき合えなくなってしまう。

 コミュニケーションの手本はしずかちゃんである。無理なことを頼まれても、「無理!」で終わらせずに、「ごめんなさい。その日はピアノだから、遊べないわ。また今度遊びましょう」とさらりと言ってのける。そして子供たちに、この力を育むのは大人の責任である。

 大人と子どもの関係であっても「自分のことを理解し、相手に変われ」という関わりのみでは、人間関係は悪化する。「相手のことを理解し、自らが変わる」姿勢こそが求められる。そしてその姿が子供に受け継がれていく。

 かつて谷沢栄一は他人の気持ちを的確に理解できる人を「人間通」と言った。おそらくこの定義は、これからも変わることはない。

 8月17日に「僕のうしろに道はできる」の上映会と山元加津子さんの講演会が帯広市内のとかちプラザで行われる。言葉で理解し合うということは、実は奇跡的なことなんだ。参加するとそう感じられることだろう。

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